HPはメーカーが一般ユーザの情報を得る絶好の手段。
薪暖房という特化した商品こそネット販売の意義がある。

●Interview

株式会社ホンマ製作所
代表取締役

本間榮作さん
取締役
営業部部長
横山康行さん


ニッチな分野ほどHPが活躍する
・・・「HPを立ち上げたきっかけをおしえてください。

横山さん:数年前から会社案内としては立ち上げていたのですが、せっかく面白い媒体なので会社の売り上げに繋げようと、2年半ほど前からオンラインショッピングを始めました。そうしたらカウントが急激にアップして。初年度はそこそこでしたが、2年目からがすごかったですね。

・・・御社の商品である「薪暖房」のシリーズですね。

横山さん:ええ。ネットのお客様は「どういう会社か」その中身ではなく「どういう商品か」が知りたいのです。
本間さん:ホテルだってそうでしょう?ホテルの名前が良いから行くわけではありません。環境がいい、室内が素敵、食事が美味しいなど、そういう部分にお客様は魅力を感じるのです。また、当社はメーカーですから、このようなニッチな商品を販売しようとすると全国へ営業網を広げる必要があります。もちろん、ホームセンターや代理店の店頭にも並んでいますが、限られた店舗にしかありません。「欲しいと思っているのに買える場所を知らない」「もっと詳しく商品情報を知りたい」というお客様は、まだまだいらっしゃいます。
横山さん:そういう意味では、実際に商品を買ってくださるお客様になり得る「潜在的な層」に対して、HPは非常に有効なアピールができます。実際に、HPから商品カタログをダウンロードして、販売店に「これをください」と持ち込まれるお客様も多いそうです。

・・・オンラインショッピングの形態を取り始めた時、どんなご苦労がありましたか?

横山さん:最初は業者さんにHP制作を頼んでいたのですが、どうしてもタイムラグが生じて。そこで社内でも制作できるように新しいソフトを開発しました。その切り替えの時、作り方など勝手が分からずに苦労しましたが、ちょっとしたメンテナンスやイベント情報などリアルタイムで伝えられるようになりました。
本間さん:そうですね。イベント情報は公開すると反応が大きいですよ。当社の製品は一般のお客様はなかなか見る機会がありません。会場では実際にストーブを焚きますから、全国各地からいらっしゃいますね。新潟市でのイベントには北海道の網走から来られた方もいました。
一般ユーザからの情報をメーカーが入手する意義
・・・北海道とはずいぶん遠くからですが、他にも日本各地から?

横山さん:北海道はよくありますよ。一番驚いたのは九州からのお客様。よく考えれば宮崎にも雪は降るのです。でも南国リゾートのイメージからか、販売店も少なく、入手しにくいそうですね。今年のお盆休みにも、京都から当社へ見学にいらした方がいましたよ。ご家族連れで、旅行のついでに来られたようです。
 このようにHPからのお客様は、限りなく個人に近い「一般ユーザ」です。ですからメールなどで相談を受けますと「生の情報」が聞けるのですね。私どもが気づかない部分まで指摘されますから。販売店を通じて得た情報は、そこまで深くはありません。これが次の商品開発に生かされるのです。


・・・有用な情報が集まるのですね?

横山さん:ええ。私たちの商品に対して「どの部分を満足しているか」ということが、はっきり分かります。例えば、いっしょに夕食をとらない家族も増えていますよね。でも当社の囲炉裏を購入したら、美味しそうな匂いが室内に広がって、家族も集まるようになり、火を囲みながら楽しく食事ができるようになったと感謝されました。「家族団らんの復活」のお手伝いができたわけです。私もたいへん嬉しかったですね。また、最近は若い人でも田舎暮らしや古民家風の住宅を選んだり、時代とともに望まれる住宅環境も変わってきています。さらに「オール電化なのに薪ストーブを使いたい」など、最新の家電とアナログを上手に融合されているお客様が多い。このように家族の傾向や住宅への嗜好や、一般ユーザのリアルな生活が見えてくるのです。これは、直接お客様に販売していなかった私たちメーカーにとって、たいへん有用な情報です。
本間さん:ええ。生活の中で、当社が「どのような部分に提案できるか」も見えてきますから。
横山さん:また、メンテナンスが必要な商品ですから、長いお付き合いとなります。その際にも様々な情報をいただきますね。また、お客様がどのキーワードで当社のHPにたどり着いたかは分かるようにしてあります。どのようなイメージを抱いているか、これも製品開発の参考になります。
メールでの問い合わせは多い日で数百件
・・・カウンターが17万を超えていますが(9月現在)、 月にどれくらいのアクセスが?

本間さん:1ヶ月に5〜6千。冬場のピーク時は、8千くらいでしょうか。メールも多数届きます。
横山さん:当社のようなニッチな商品で、このようなアクセスやメールでの問い合わせは高い方だと思います。ただ、お客様が個人の方が多いので、ありがたい反面、もし不具合が生じたら、悪い印象があっという間に広がる恐ろしさもあります。だからこそ、当社も「シビアに対応し、商品を改善していこう」という姿勢が生まれる。私はこれをたいへん良いことだと考えています。実際にトラブルがあったお客様ほど、きちんと応対すると分かってくださる。そうすると強い信頼関係が生まれて、別のお客様を紹介してくださるのです。お陰様で、全国に当社の営業がいるようです。(笑)本当に、良いも悪いも両面がダイレクトに返ってくるメディアですね。

・・・では、最後に読者の方にメッセージをいただけますでしょうか?

本間さん:HPは新潟という立地を物ともしません。このように便利なツールを使わない手はないと思います。また、その中でも一番の特性は「スピード」ですね。お客様からの問い合わせも、瞬時に返答できますから。
横山さん:今後は、このようにお客様からいただいた情報を、もっと積極的に活用できないかと考えています。さらに詳しい情報を掲載して、より軽く、より分かりやすく構築していきたいですね。
《Profile》
●新潟県新潟市(旧白根市)にある株式会社ホンマ製作所。旧白根市は勇壮な大凧合戦や美味しい果樹でも有名です。ホンマ製作所はこの自然豊かな地で、環境に配慮した薪暖房やアウトドア調理器具の開発に取り組んでいます。商品のお問い合わせは、HPをご覧ください。


http://www.honma-seisakusyo.co.jp/
ホンマ製作所
新潟市北田中801番地8
TEL(025)362-1235(代)

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