=バーチャルモールで地元商店街の活性化を図る。
一番重要なのは他との差別化と目的意識=

●Interview

株式会社NSコンピュータサービス内
が〜て・ながおか事務局

佐藤 健さん(写真右)
『が〜てラーメン』を共同企画された
中華料理店『蘇州』店長
西澤 孝さん(写真左)


「欲張らず、目的と対象を絞り込むことも重要」
・・・地域商店街を地元の人々が再発見するということはたいへん有意義だと思いますが、HP立ち上げのきっかけや目的は?

そうですね、きっかけはやはり“商店街を活性化させたい”という気持ちからでしょうか。どこの地域も古くからある商店街は似たような悩みを抱えていると思います。そこでHPでのバーチャルモール開設を決めました。平成12年11月にプレオープン、12月に正式にオープンさせ、それと同時にサイト運営部門『が〜て・ながおか事務局』を当社内に発足させました。“が〜て”は長岡の方言ですが、英語表記は“gate”にしています。ものを販売するだけでなく、様々な分野から“長岡市へのゲート(入口)”になるようなサイトを目指しています。ですからトップページのように盛り沢山の情報が詰まっているのです。


・・・それで、商店街だけでなく“まるごとながおか”という風にも見えるのですね。では、特にバーチャルモールとして工夫された点をおしえていただけますか?

そうですね、ターゲットを“長岡市に絞り込んだ”ことでしょうか。HPで販売をする場合、地球の裏側からでも注文がきたりと、かなりグローバルな展開を想像されると思いますが私たちの場合はあくまで“地域にこだわり”ました。商店という実店舗があるのですからHP上で売り上げが伸びなくても、お客様が実際のお店に行っていただき、そこの売り上げや評判がアップすればいいのです。そして本来の目的である“商店街の活性化”に結び付けばいい、と考えています。
ですからモールに出店される皆様も長岡市内に限定させていただいています。サイトの立ち上げの際、新聞の全国版にも取り上げていただき紹介されたのですが「あ〜、こちらこそ出店を出店をお願いしたい!」という県外の企業さんからも多数問い合わせがありましたが、涙を呑んで(笑)お断りさせていただきました。現在も小千谷市など近郊から出店希望をいただきますが、申し訳ありませんけど、お断りしているのですね。
やはり私たちの目の届く範囲内にいられる店主の皆様とお付き合いして、実際そこに出向いて対面でお話をして、その中から作り上げていきたいのです。長岡市内であれば何かトラブルがあったり、相談を受けたら、すぐ飛んで行けますしね。モールに出店したことが終点ではありません。HPに掲載するということは、支店や分店を新たに出店するようなものです。そこから先、どのように展開していくかが大切ですね。


・・・では、どの程度の商店の方が参加されていますか?また、各商店を取りまとめるのは、たいへんなお仕事なのでは?

現在では市内の各地区から、62店舗が出店されています。確かに、店主さんもこういうことに興味を持たれてご自分で積極的にメンテナンスをされる方から、逆にコンピュータも持っていない方など、その環境、スキルも本当に様々です。でも、特にたいへんということはありませんよ。そのために勉強会を開くということもありませんし。できない商店さんは私どもでフォローしています。
また、出店者の中華料理店『蘇州』さんと『が〜てラーメン』を共同企画したのですが大きな反響を呼びました。店長の西澤さんはメニュー開発にたいへん熱心な方で、『が〜て!ながおか』のキャラクターである“あひる”から考えてくれました。ただ「やっぱりあひるは難しいなあ」ということで(笑)合鴨のラーメンになりました。地元の新聞にも大きく取り上げられ、新しいお客さんもたくさん来店し、とても良い結果が出ましたよ。一時、お休みしていたのですが今秋から再開しますので、長岡にいらした際はぜひお試しください。美味しいですよ!(笑)
「様々な地域性が見えてくる面白さ、楽しさ」
・・・長岡市民の反応や商店街の皆さんの反応はいかがですか?

けっこう評判いいですよ。お弁当などをオークションにかけると700円の品に80件くらい入札があったりします。実は私どもの会員は男性、しかも30〜40代が多いです。コンピュータの普及率も関係あるんでしょうが。
会員数は1361名(8月29日現在)、アクセス数は平均300くらいでしょうか。地域限定のせいか投稿してくださる掲示板の話題もマニアックになったりします。でも、それはそれで特色が出ていいと思っています。また、会員の皆さんのマナーの良さにも驚いています。実は、今までひどいイタズラを掲示板に投稿されたことがありません。以前ちょっとした中傷をちゃんと掲載して私どもも誠意を持ってお応えしたら「何もそこまで丁寧に対応する必要はないでしょう」と投稿してくださる方が大勢いて、とても嬉しかったです。これも地域限定にしたことから見えた結果のひとつでしょうか。長岡の人の良さがわかり、地元を誇らしく思えますね。
「桜の開花情報でアクセスは3倍以上に!」
・・・サイトを運営されて、苦労話や逆に面白かったことをおしえてください。

私どもも好きな仕事ですから特に苦労したことは思い浮かばないのですが、たいへんだったのは『冬の長生橋の状況』を毎日掲載したことでしょうか。毎朝ラッシュ時に必ず写真を撮らなければならないのでキツかったですね(笑)。あと、市内4ヶ所の桜の開花状況も毎日撮影して載せました。そうしたら長岡市にゆかりのある方で、今は市外や県外にいらっしゃる方が「なつかしい」と、とても楽しみにして見に来てくださったり、新聞に掲載されたこともあってピーク時には毎日1000くらいアクセスがありました。この反響の大きさには驚きました。これは来年もやらなきゃいけないですね(笑)。


・・・では最後に今後の展開や、読者へのアドバイスなどをお願いいたします。

『が〜てラーメン』のように商店との企画商品や商店同士の共同企画・開発なども積極的に進めたいですね。
今後、開設される方へは、やはり他と同じことをしていては埋もれてしまいますから、どんどん新しいことにチャレンジされてください。『が〜て!ながおか』のページも、どうぞ見にいらしてくださいね。
《Profile》
花火の三尺玉で有名な長岡市は『米百俵』の精神が生きる、新潟県第二の都市です。
●NSコンピュータサービス内 が〜てながおか事務局
http://www.gate-nagaoka.com
新潟県長岡市金房3丁目3番2号 TEL.0258(37)3700
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