―ファンヒーターで培った技術をいかし、
コーヒーメーカー「カフェプロ」を開発。
しかもHPという、従来とまったく違った手段で販売を展開。―


●Interview

ダイニチ工業株式会社 広報室
土田真規子さん



「最初は、不思議な存在に感じました」
・・・ファンヒーターで有名なダイニチ工業さんが、なぜコーヒーメーカーなのですか?

私は2001年に入社して3年目になりますが、カフェプロは6年前の1997年から販売されていました。ですから、入社した時にはすでに製品があったのです。確かに当社はファンヒーターで知られている会社ですから、入社した当時は「何でこの会社にコーヒー部門が?」と不思議な感じがしました。しかし、カフェプロの特徴である「生豆を焙煎」するという機能は当社がヒーターをつくってきた技術から誕生していたのです。
開発は、ある大手商社から依頼されました。このような商品は他にもあったそうですが、なかなか思うような味が出なかったので、そこでヒーターづくりで培ったヒーターを扱う技術、制御技術、ニオイを抑える触媒技術などを応用して「ダイニチ工業でつくれないか」と打診されたそうです。トップのゴーサインも出て、先輩たちのたいへんな苦労の結果、カフェプロが商品化されました。

・・・では、HPを立ち上げたきっかけは?

やはり「多くの方々の目にとまってほしい」という理由からでした。ファンヒーターであれば量販店で販売すれば、普通に買っていただけますよね。誰でも使う商品です。しかし、カフェプロは生豆から焙煎する特殊なコーヒーメーカーですから、こだわりを持った方やコーヒーマニアといいますか、そんなお客様が対象だったので店頭販売するよりはHPの方が、遠くの人でも買っていただけるのではと、社内で相談して決めたそうです。それでHPを立ち上げました。
「開設してから売り上げが5割増!」
・・・HPを開設してからどのような効果がありましたか?

カフェプロは、営業が直接にお客様に販売するというルートもあり、そちらにはまだ及ばないのですが、HP開設後は売り上げが5割ほど増えました。やはりコーヒーにこだわっている方々が目にとめてくださって、お買い求めいただいたり、お問い合わせがありました。
また、生豆の販売もしているので常連のお客様ができるのです。そうすると、「今日、妻と映画を見てきました」とかメールに近況を書き添えてくださったりするので、とても嬉しいですね。

・・・土田さんはどのようなお仕事をされているのですか

私が入社した年の8月に広報室に配属され、翌年の7月からカフェプロのHPを管理しています。HPは最初に立ち上げた本店と、「楽天」、「逸晶.com」のそれぞれに支店があります。私が担当になった時に本店を全面リニューアルし、それから担当しています。しかし、楽天市場支店の方は最初から担当しました。楽天さんに出店する時は講習会を受けるのですが、他は営業や社長が来られるのに「広報の人が来るのは初めてだ」って驚かれていました。
楽天の支店は、最初はまったくお客様が来ませんでした。とても苦しかったです「どうしよう」って。私はHPを立ち上げさえすれば、自然と皆さんが見てくださると思っていたのです。しかし勉強するうちに、広告を出したり、プレゼントのキャンペーンをしたり、「こちらがアクションを起こさなければ注目されない」ことに気がつきました。そのせいか最近は注文が入るようになり、毎朝「今日は来てるかな」ってメールをチェックするのが楽しみになりました。

・・・特殊な製品ですが、その点で気を配られているところはありますか?

ええ、カフェプロは他に同じような商品があまりないですし、また実際に手に取って見ていただけないので、サイズなど細かな部分や、またよくあるご質問なども掲載して、HPできちんと接客できるように心がけています。
また、「お試し豆」というサンプルもあるので、それをご利用いただいてから購入される方もいらっしゃいます。でも、逸品.comではサイトのオーナーが実際に使って、「いいな」って思った商品しか置いてくれません。ですから、そこからご注文をいただいたお客様の中には商品を信頼されて、いきなり買われる方もいらっしゃいます。
「HPとはいえ接客に変わりはない」
・・・先程「接客」という言葉を使われましたが、それはどういうことですか?

はい、私はHPという形態であれ「お客様を接客していることに変わりはない」と思っています。ですから先程もお話したように、できるだけ詳しい情報を掲載したり、商品イメージが見るだけで伝わるように配慮しています。
また、「接客」を念頭に置くからこそ、やはりこちらからどんどんアクションを起こさなければと実感しています。

・・・では、カフエプロの宣伝をしていただけますか

そうですね、やはり生豆を焙煎するのでフレッシュであっさりしています。かといって味わいは深いので「一日何杯でも飲める」という方が多いです。人気の生豆はヨーロピアンブレンドでしょうか。また、値段は高いのですがブルーマウンテンブレンドも人気です。しかし、値段が高いといっても生豆なので焙煎する工程がない分お値段も安くなっています。個人的にはブルマンがお気に入りです。香りがぜんぜん違いますから。

・・・今後の展望と、新しくHPをつくられる方ヘアドバイスをお願いします。

そうですね、HPは豆知識などのぺージをつくって、もっとお客様が楽しめるようにしていきたいです。また、メールマガジンの方も愛読してくれる方がたくさんいらっしゃいますので、こちらも充実させたいですね。
これから開設されようという方には、私のように入社してからパソコンをいじったような初心者でもHPはつくれるのです。しかしながら、HPが完成したからといって終わりではなく、そこから先が重要だと思います。まめに更新したり「アクションを起こす」ことが大切だと思います。
《Profile》
ファンヒーターで名高いダイニチ工業株式会社は1997年、コーヒー部門を開設。苦労の末に商品化された生豆から焙煎するコーヒーメーカー『カフェプロ』は、マニアから絶賛される逸品。
●ダイニチ工業株式会社
http://www.dainichi-net.co.jp/cafepro/
新潟県白根市大字北田中780-6 TEL.025(362)1105(広報室)
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