地方のICT戦略24
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今回紹介する株式会社スピードリサーチは「ICT(情報通信技術)=事業」と言っても過言ではない。社名の通りあらゆる案件を素早く調べ、お客様へ情報をフィードバックしている。一度利用したお客様のほとんどがリピーターにな るという同社。いったいどのような仕組みで事業を展開しているのだろう。
株式会社スピードリサーチ

株式会社イシカワ
●Interview
株式会社スピードリサーチ
代表取締役
小林 教さとしさん



紙からICTへ転換することで
あらゆるムダを削減

・・・─御社がICTを利用したきっかけは?

 消費者へのアンケートというと紙に記入してもらうのが一般的だと思います。しかしアンケート用紙を郵送するのは時間や手間、当然送料も掛かります。また、郵送での回収率は行政で5割、民間で2割あれば良い方で、残りはムダ。エコロジー面でもよくないですよね。そこで何か紙に代わる方法はないかと考えていると、インターネットや携帯でのiモードが普及してきた時代でもあってICTの活用を思い付きました。

  現在、新潟県民は約237万人いますが、そのうち1万1千人が当社のアンケート会員に登録されています。例えば、当社のお客様(行政や企業)が市場調査をしたい場合、会員の中から「性別、年齢、住所、職業、家族構成、住まい環境」で回答者を絞り込み、「女性、20〜30代、新潟市内」などへニーズや課題に合わせた設問で発信することができます。これらはすべて当社のサーバを経由して行われます。

・・・紙からICTに移行して、どんなメリットがありましたか?

 スピードとコストです。紙媒体では郵送して戻るのに相応の時間が必要でしたが、1千人規模の回答を集めるのに最短で4時間。当然、回答内容は自動的にデータ化されていますので、入力等の作業も不要です。郵便では2〜3週間かかっていたものが、わずか半日で終わります。回答人数や質問数が多い場合はデータの量も多くなりサーバからのダウンロードに時間がかかりますので、フレッツ光でないと大変です。同時に送料、集計に必要な人件費も削減でき、手作業による集計ミスも解消されコストの大幅な削減も可能になりました。

 このように紙媒体と比較して、膨大な情報処理の著しいスピードアップと正確さ、大幅なコスト削減を実現、行政や企業様も気軽にリサーチを使えるようになりました。試作品の好感度を検証やキャンペーンを打つ前後で認知度の違いを検証したり、ニーズ等の意識調査にも使われています。

イベント来場者の感想を
リアルタイムに反映

ホームページ・・・イベント会場やメルマガでも活用されているそうですが、どのような効果が?

 イベントでは会場に端末を設置して来場者に入力していただきます。それをリアルタイムに集計することが可能です。実際に2日以上連続するイベントで利用していますが、これにより来場者の声がダイレクトに、しかも「どこ≠ェよかった、悪かった」のどこ≠ェ具体的にわかるのです。テナントやコーナーに報告すれば、それを反省材料として翌日までに改善できます。来場者への対応も素早く修正できる、そこにスピードリサーチが活きてくるのです。

  メルマガのケースでは、行政や企業様がメルマガを発信すると同時にアンケートも実施します。すると今まで一方的に配信していたメルマガに対し、これも「どこ≠ェよかった、悪かった」がわかり、一方通行が双方向に、つまりお客様とコミュニケーションが取れるようになりました。

・・・一度利用されたお客様は、ほとんどリピーターになるそうですが…。

 一度リサーチをしてみると「目からウロコ」と言いますか…、実際に商品やサービスを利用しているお客様やこれから利用するかもしれない人の生の意見が聞けるのですから、迫力がありますよね。商品やサービスを提供する側の人は、一生懸命になり過ぎると言いますか、視野が狭くなってお客様が望む商品、サービスとずれるケースがあります。実際にリサーチすると非常にシビアなお客様の声≠ェ返ってきます。しかしお客様の声≠ノ向き合い、謙虚に受け入れている企業様は、サービスや製品の質を格段に向上させています。

ICTは新たな窓口、
消費者とのコミュニケーションが活発に!

・・・それでは最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

 ICTはお客様に接する窓口(コミュニケーション)を増やすことにもつながります。隣の競合会社と比べて値くずれを起こすより、「お客様を大切にし、その声をいかに事業に反映させるか」ということが重要な時代だと思います。紙で書くよりも携帯やPCといったICTツールの方が意見が言いやすい(記入しやすい)といった人も増えてきています。当社のような事業でなくとも、ICTを活用しお客様とのコミュニケーションを増やす、そして“お客様の声”をきちんと聞くことが大切だと思います。

  なぜ私がこう言えるかというと、私自身リサーチの仕事をしてきてお客様の声≠ノ教えてもらったからです。どうか皆様もお客様の声≠ノ耳を傾けてください。そうでないと、どこかでコミュニケーションがずれていき、市場にそぐわなくなってしまいますから。


《Profile》
●株式会社スピードリサーチ
事業内容/新潟県内1万人以上の回答者が登録するインターネット調査を中心に、モバイルリサーチ、サンプル品調査、アンケートWeb2002システム、覆面調査やCS調査を基にした人材育成プログラム等の商品を提供している。
設立/2002年11月1日 
本社/新潟県新潟市東区小金町1丁目7ー1 
TEL/(025)270ー3800
mail / info@speed-r.co.jp
代表取締役/小林 教

http://www.speed-r.co.jp/

 

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