地方のICT戦略28
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本社を小諸市に置き、長野県内約6000件の顧客の安全・防犯をサポートしている長野県パトロール株式会社。かつてはマンパワーが主力だった警備、保安の事業に先進のICTがプラスされ、現在はさらに盤石かつきめ細やかな警備・保安を実現するに至っている。その生命線ともいえるのが通信ネットワーク。顧客のインフラに対応し、光、ISDN、ADSL、アナログなどさまざまなスタイルが混在する100以上の回線を集約するうえで、NTTとのパートナーシップが事業運営を支え、顧客からの信頼を維持する鍵となっている。
長野県パトロール株式会社

長野県パトロール株式会社 
本社統括本部 統括責任者
浅沼 秀樹さん

●Interview
長野県パトロール株式会社
本社統括本部 統括責任者
浅沼 秀樹さん



マンパワーから機械警備へ
ICTが業務と信頼保持の鍵

・・・警備・保安の分野ではICTの導入が急速に進んでいるそうですが、御社ではどのようにご活用になっておられますか。

浅沼さん
 一昨年1月に「光ネクスト」を導入し、社内業務とお客様の保安業務の2系統を活用しています。まず社内では、本 社を含め県内7拠点を結び、IP電話による無料通話の利用ならびに社内の業務システムの一元化を図りました。
  もう一系統は約6000件のお客様の防犯・保安情報を本部に集約し、各拠点にタイムリーな情報を発信するために活用でいます。
  昭和40年代の創業当初はマンパワーで行うものだった警備の業務ですが、時代の流れとともにそのスタイルも方法も大きく変化しました。現在はICT化にともなう機械警備が主流であり、そのための通信インフラとネットワークシステムが業務の生命線ともいうべき重要な位置を占めています。
  当社でも平成14年にお客様の情報を集約管理する体制を整え、効率的で安定した機械警備の実現に努めてきました。お客様と当社を結ぶホットラインは、お客様が加入しておられる電話回線ですが、これがアナログ、ISDN、ADSL、光と多様化の一途をたどり、すでに100にのぼる専用回線をフルに活用している状況です。これらの情報を一元管理するとともに、インターネットを活用した映像監視システムを充実させていくうえで、大容量の情報をスピーディに送受信できる「光」の導入が不可欠だったのです。

・・・通信ネットワークのパートナーとしてNTTを選ばれた理由は何でしょうか。

浅沼さん
  アナログ時代から電話回線を活用してきた経緯があり、ICTの導入、移行に際しても、スムーズに対応いただけることが重要でした。また多様化するお客様の通信インフラすべてに支障なく対応できること、インフラとしての安定性、信頼性が高いこと、さらには災害や予期せぬ事故など万が一の際の対応や復旧体制に信頼がおけることなどを総合的に評価して、NTTのほかに選択肢はなかったといっていいでしょう。
  コスト面も、もちろん重視しますが、お客様の安全を守る業務を遂行するためには、要となる通信インフラの信頼性を二の次にするわけにはいきませんから。

・・・ICTの導入、推進にあたり、特に留意してこられたことは何ですか。

浅沼さん
  警備業務や安全・防災の保守業務というのは、お客様がご不在の間に機能します。ICT化することにより、お客様と接する機会はますます減っていくわけです。それだけに人と人との直接的なコミュニケーションを従来以上に大切にしながらICT化を進めてきました。
  特に平成14年の情報一元化にあたっては単にスピードを重視するのではなく、お客様にご理解いただきながら1年かけて確立しました。それが結果的に、その後のインフラの進化、加速にもお客様が無理なく対応できる土壌を作ったといえるでしょう。

フレッツ光が実現
映像の録画・保存サービス

・・・警備・保安業務において、「光」を導入された成果についてお聞かせください。

浅沼さん
 社会的にニーズの高い防犯カメラの拡充は「光」ならではの成果ですね。また、以前から検討を続けてきたネットワークカメラ活用による「NP View ASPサービス」の提供を今年6月に開始しましたが、これはまさに「光フレッツ」あってこそのサービスです。

・・・サービスの概要をお聞かせくださいますか。

浅沼さん
 インターネットで送られてくるカメラ映像を当社内に置いた専用サーバに記録・保存しておくサービスです。お客様は防犯および業務モニタ用のカメラ設置のみで簡単に導入できるうえ、ニーズに応じてお客様ご自身が必要な映像を呼び出しモニタリングできるという画期的なシステムで、早くも反響を呼んでいます。特に多店舗経営のお客様からのお問い合わせが多く、今後さらなる普及が期待されます。

データセンターの新設で
新たな事業領域の拡充へ

・・・ますます重要になっていく通信インフラとICT管理に関し、社内体制はどうしておられるのでしょうか。

浅沼さん
 ネットワーク担当の専門スタッフが私を含めて7名、さらにソフトウェア開発を担当するスタッフが5名おり、社内外のICTニーズに即応できる体制を整えています。この体制とNTTさんとのパートナーシップによって「NP View ASP」のような新サービスの構築が実現したわけです。

・・・とても先進的な取り組みとお見受けします。今後への展望は?

浅沼さん
 来年5月を目処に、小諸市内にデータセンターの新設を予定しています。当社のデータセンターとしてのみならず、お客様の大切な情報をお預かりするサーバセンターとして、新たなサービスを提供していきます。
  小諸は断層から離れた安定した地盤の上に位置し、浅間山噴火の影響も受けにくいという地理的な特徴があります。電力や交通インフラの面からも、非常に好都合な立地であり、長野県はもちろん全国のお客様の危機管理対策にご活用いただけると見ています。地元活性化の一助となることも期し、新センター建設、新サービスの展開を進めているところです。

NP View ASPシステム図

・・・最後に会員の皆様にひとことお願いいたします。

浅沼さん
 当社の場合、NTTさんの提案とお客様のメリットを照らし合わせながら常にベストな選択をしてきた結果、今の体制が確立できたと思っています。通信インフラはどの企業さんにとっても事業展開に不可欠な道具。当社の事例が参考になれば幸いです。

・・・どうもありがとうございました。

《Profile》
●長野県パトロール株式会社
事業内容/警備保障と防災の総合企業として、システム警備、総合防災、防犯・防災商品の販売、LPガス保安業務、システム開発を展開。長野県内の企業、団体を中心とする約6000件の顧客の安全管理に365日、24時間体制で臨んでいる。地盤が安定強固で自然災害に強い土地柄を生かし、自社のみならず顧客の各種データバックアップ施設として機能するデータセンターを創設予定。
設立/昭和44(1969)年
本社/長野県小諸市柏木15-5
TEL/(0267)-25-5363
代表取締役社長/竹花 長雅

http://www.np-c.co.jp/

 

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