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地方のICT戦略29
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ホリカフーズ株式会社は美味しい米で有名な魚沼市にある。自然環境は素晴らしいが、消費地とは離れており、それらを「ICT」で補いながら確実に実績を伸ばしている。また、同社自身も中越大震災で被災しているが、その経験を「ICT」にどう活かしているのだろう。
ホリカフーズ株式会社

ホリカフーズ株式会社 
代表取締役社長
川井 義博さん

●Interview
ホリカフーズ株式会社
代表取締役社長
川井 義博さん



工場新設に伴って
ネットワークもバージョンアップ!

・・・「ビジネスイーサ ワイド」を導入されましたが、そのきっかけは何でしょう?

川井さん
昨年の新工場「水の郷工場」の建設です。本社から車で20分ほどの近距離ですが、他の工場や営業所と同じくネットワークを結びたかった。ちょうどその頃にNTTさんから「ビジネスイーサ ワイド」の提案がありました。初期費用も抑えられ、運用コストもそれまで使っていた「メガデータネッツ」と同程度。それなのに品質や信頼性は向上するという。古い回線に追加するより新しいシステムの方が将来的にいろいろな展開もできるだろうと導入を決めました。

・・・ICTにどのような期待をされていますか?

川井さん
「ビジネスイーサ ワイド」を導入してからは従来の生産・品質管理、連絡網、掲示板、情報共有、楽天のショップ運営などのスピードが格段に速くなりました。当社は営業所が仙台、東京、大阪、福岡と複数県にまたがりますが「ビジネスイーサ ワイド」なら広域ネットワークもワンストップで構築・保守・料金請求が可能。さらに「Group-VPN」の接続によってダイレクトにつなげる。様々な面から便利になると期待しています。
また、昨年の東日本大震災時にこんなことがありました。当時は「メガデータネッツ」でしたが「社内メールシステム」を持っていました。震災直後、電話や携帯では仙台営業所スタッフと連絡が取れずに心配しましたが、すぐに本社から安否確認できました。みな無事で、ほっとしましたね。
私たちも中越大震災では多大な被害を受けましたから。回線のお陰で東北地方の被害状況もいち早く把握できました。こういうネットワークは万が一の災害時に活躍しますね。

実店舗で販売しにくい商品は
ネットショップを活用

・・・レスキューフーズを製造販売されていますが、東日本大震災後に楽天ショップの受注が急増したそうですね。

川井さん
レスキューフーズは実店舗ではなかなか売りにくい商品。常温で3年半持ちますが、みなさん消費期限ができるだけ先の方が良いでしょう? 店頭に並んで日が過ぎた品より「購入した時=3年先まで持つ」のが理想なわけです。それで個人消費者向けに直販ショップを開いたのですが、震災で流れが変わってしまいました。関東方面の事業所から大量の注文が入ったのです。ショップから試しに買い、商品や味を確認して購入を決められるようです。直接電話で問い合わせがあった企業もありますが、ショップの注文数にいきなり千単位の数字を入れる企業もあって驚きました。
震災当日は帰宅難民が出てニュースにもなりましたが、その経験から「社員を帰宅させず、事業所に宿泊させよう」と行政も動き始めています。食事の備蓄は3日分が基本ですが、3日×社員数を調達する企業が確実に増えている。楽天のショップは競合他社と比較していただけるきっかけになっているようです。当社のレスキューフーズはただ栄養を取るだけのサバイバルフードではなく、電気・ガス・水道が止まっていても温かく美味しい「普通の食事」ができることを目的にしています。私たちも被災経験がありますから、過酷な状況の中で温かい食事がどんなに心と体を癒すかが身にしみています。ですから内容と使い勝手には絶対の自信があります。
このようにショップには震災直後から多くの注文が入りましたが、申し訳ありませんでしたが被災地や復旧活動をする皆さんへの供給を優先させていただきました。100万食を食べていただき、皆様のお役に立つことができたようです。

楽天ショップ

楽天ショップ

楽天ショップ
2007 年にレスキューフーズは製品化されていた
が、その直後に中越大震災前が発生。あまりにも
タイミングが合いすぎて、公に広告宣伝をしなかっ
た。地域の主要国道も寸断し、停電で真っ暗な
中、同社は倉庫から食材を出して地域住民に配布
した。

消費地を離れた企業に
ICTは欠かせないサービス

・・・─今後はICTをどのように活用される予定ですか?

川井さん
  まずは情報を伝えていくこと。私たちは病院の介護食・治療食も手掛けており、震災直後から各地へ供給してきました。非常用物資しか通さない道を走り、グチャグチャになった病院を山ほど見てきた中で、直面した課題や得たノウハウを介護食販売と一緒にお客様に伝えています。現在は紙のパンフレットだけですが、様々な営業・販促活動のシーンで伝えていきたいですね。
次に社内ネットワークとスマートフォンとの連携です。レスキューフーズの場合、納入した3年後が入れ替え時とはっきり見えます。顧客情報などをデータベース化し、営業すべてにスマートフォンを持たせることで活用していきたいですね。
最後に楽天ショップを拡充させたい。一般客の反応が一番早く、物事に敏感です。それを吸収して商品開発に反映させていきたいですね。

・・・それでは最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

川井さん
 私たちのように、消費地を離れた場所にある企業にとってICTは欠かせません。遠隔地の皆様と情報をやりとりするには有効な手段です。また、将来的に企業内データを活用するためにも重要な位置付けにあります。どう使いこなすかは私たち次第でもありますが、常にNTTさんから新しい情報をいただいて活用したいと思います。

 

《Profile》
●ホリカフーズ株式会社
事業内容/スタート(堀之内食料品加工組合)は地元の農閑期における雇用促進を目的に、ぜんまいの缶詰を製造販売していた。その後、コンビーフのOEMを経て治療食、介護食、非常食、調理食品等の分野へ進出。主要取引先は(株)明治屋、三井物産(株)、川商フーズ(株)、全国病院用食材卸売業協同組合(加入企業)、防衛省など。
設立/1955年1月(組合発足は1936年)
本社/新潟県魚沼市堀之内286番地
TEL/025―794―2211(代表)
代表取締役社長/川井 義博

会社案内
http://www.foricafoods.co.jp/

楽天ショップ
http://www.rakuten.ne.jp/gold/rescue-ffk/

 

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